高気圧酸素室について
目次
インプラント術後の早期回復・早期定着に「高気圧酸素室」
高気圧酸素室がインプラントの早期回復や早期定着に
高気圧酸素室では、高気圧高酸素の環境が、炎症を抑え、骨の再生を促進します。2002年のサッカーワールドカップで、開催前に骨折をしてしまった選手が高気圧治療により骨折を早期回復して大会に参加したことがエピソードとしてよく知られています。「高気圧環境は骨折の早期治癒を促進する」という有名な論文は、インプラントの早期回復を裏付ける内容になります。インプラント手術後に高気圧酸素室を利用する事で、腫れ、内出血、インプラントの早期定着に効果が期待できます。
術後リカバリールーム「高気圧酸素室」について
高気圧酸素室は、トップアスリートの怪我の回復促進にも使用されて、広く知られるようになりました。
また、医療の現場でも様々な治療や回復促進などに使用されています。
そもそも「高気圧酸素治療」とは
体内の酸素濃度を上昇させることで、様々な治療効果が得られます。
血中酸素濃度の上昇
通常の気圧下で高濃度の酸素を吸った場合
血液には酸素はほとんど溶け込まず、酸素は主に赤血球によって運ばれます。これを、赤血球にあるヘモグロビンと結合して運ばれることから、「結合型酸素」といいます。結合型酸素の場合、ヘモグロビンに結合できる酸素は上限が決まっていることから、100%酸素を吸っても、血液中の酸素量の上昇には限界があります。
高気圧環境下で高濃度の酸素を吸った場合
高い圧力の状態になると血管内の気体の容積は縮小し、血管内の気体が血液や体液に溶け込みます。このことは、循環障害の改善が期待できます。
また、高い圧力の状態で、高濃度の酸素を取り込む事で、血液や体液の溶解型酸素が増え、末梢まで酸素が多く運ばれることで、低酸素状態の改善や、循環障害の改善が期待できます。
これまでにも医療では様々な治療に使用されてきました
医科での適応疾患
- 減圧症又は空気塞栓
- 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む。)
- 重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)又は頭蓋内膿瘍
- 急性末梢血管障害(重症の熱傷又は凍傷・広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害・コンパートメント症候群又は圧挫症候群)
- 脳梗塞
- 重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫
- 重症の低酸素脳症
- 腸閉塞
- 網膜動脈閉塞症
- 突発性難聴
- 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
- 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
- 皮膚移植
- 脊髄神経疾患
- 骨髄炎又は放射線障害
インプラント治療のリカバリー(回復)
インプラント治療に、高気圧酸素ルームは最適です。実は、傷ついたり弱ったりした細胞の再生には、大量の酸素が必要となります。十分な酸素を補給し、血中溶解酸素濃度を上げる事により、細胞の再生時間を大幅に短縮することができます。インプラントが早期定着することにもつながり、治療後の回復促進に繋がります。
一般的な高気圧酸素室と酸素カプセルとの違い
一般的に普及している、いわゆる「酸素カプセル」と、当院の「高気圧酸素室」の違いとしては以下のような点があります。
①効果の違い
いわゆる「酸素カプセル」と、当院の「高気圧酸素室」、どちらも気圧を上げて、酸素濃度を高めますが、当院の「高気圧酸素室」の方が、一般的に普及している、いわゆる「酸素カプセル」より高濃度の酸素を生成します。このことは「溶解型酸素」を毛細血管にまで行き届けさせます。
②設備としての違い
一般的に普及している、いわゆる「酸素カプセル」は、日焼けマシーンのように、1人で横になる形でしか入れませんが、当院の「高気圧酸素室」は、2〜3人入る広さがあるため、圧迫感もなく、リラックスして過ごすことが可能です。